目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
そう言ってヴェルデは握っていたローラの片手をそっと持ち上げ、手の甲に口づける。そうして、愛おしそうにローラを見つめた。
「でも、メイナード殿下に呼ばれてあなたのことを知り、あなたを目覚めさせて驚きました。あなたが、師匠から聞いていたあの女性なのだと気づいた時、こんな奇跡があっていいのだろうかと思いました。あなただと分かった瞬間に、俺はどうしてもあなたを幸せにしたい、あなたと共に生きていきたいと思ってしまったんです。目覚めさせてから……あなたが目覚めたことによって苦しむ姿を見て、俺はとんでもないことをしてしまったのだと思いました」
ローラの手を握り締め、苦しそうにヴェルデは話す。
「それでも、俺はあきらめたくなかった。あなたがこの世界で生きる場所がないと思うのなら、俺がそれを作ればいい。俺があなたの居場所になればいいのだと本気で思いました。目覚める前に幸せだったのなら、それ以上の幸せをあなたに感じてもらえばいいのだと。でも、あなたは目覚めたくないほどにずっと苦しかったのですよね。抱えきれないほどの孤独と悲しみがあなたを苦しめていた。だったら」
そう言って、ジッとローラを真剣な眼差しで見つめるヴェルデ。その瞳には強い意志が感じられ、ローラは目が離せない。
「あなたが生きていたくない世界だと思うのなら、そんな世界は俺がつくりなおしてしまえばいい。あなたがいつどこにいても幸せを感じられるような世界を、俺がつくればいい。生きていてよかったと、目覚めることができてよかったと、そう思ってもらえるように俺があなたを幸せにすればいいと本気で思ったんです」
ヴェルデの言葉に、ローラはいつの間にか両目から涙を流していた。そんなローラの頬を、ヴェルデは片手でそっと優しく撫でる。
「俺の気持ちは、あなたが思っている以上に強くてしぶといんですよ。……こんな俺のこと、嫌いになりましたか?」
問われてローラはとっさに首をぶんぶんと振った。
「そ、そんなことありません!むしろ、あなたのその気持ちは私なんかにはもったいなくて……それに」
「でも、メイナード殿下に呼ばれてあなたのことを知り、あなたを目覚めさせて驚きました。あなたが、師匠から聞いていたあの女性なのだと気づいた時、こんな奇跡があっていいのだろうかと思いました。あなただと分かった瞬間に、俺はどうしてもあなたを幸せにしたい、あなたと共に生きていきたいと思ってしまったんです。目覚めさせてから……あなたが目覚めたことによって苦しむ姿を見て、俺はとんでもないことをしてしまったのだと思いました」
ローラの手を握り締め、苦しそうにヴェルデは話す。
「それでも、俺はあきらめたくなかった。あなたがこの世界で生きる場所がないと思うのなら、俺がそれを作ればいい。俺があなたの居場所になればいいのだと本気で思いました。目覚める前に幸せだったのなら、それ以上の幸せをあなたに感じてもらえばいいのだと。でも、あなたは目覚めたくないほどにずっと苦しかったのですよね。抱えきれないほどの孤独と悲しみがあなたを苦しめていた。だったら」
そう言って、ジッとローラを真剣な眼差しで見つめるヴェルデ。その瞳には強い意志が感じられ、ローラは目が離せない。
「あなたが生きていたくない世界だと思うのなら、そんな世界は俺がつくりなおしてしまえばいい。あなたがいつどこにいても幸せを感じられるような世界を、俺がつくればいい。生きていてよかったと、目覚めることができてよかったと、そう思ってもらえるように俺があなたを幸せにすればいいと本気で思ったんです」
ヴェルデの言葉に、ローラはいつの間にか両目から涙を流していた。そんなローラの頬を、ヴェルデは片手でそっと優しく撫でる。
「俺の気持ちは、あなたが思っている以上に強くてしぶといんですよ。……こんな俺のこと、嫌いになりましたか?」
問われてローラはとっさに首をぶんぶんと振った。
「そ、そんなことありません!むしろ、あなたのその気持ちは私なんかにはもったいなくて……それに」