目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
クレイの言葉にローラはじっとクレイを見つめる。
「エルヴィン殿下は、あなたが眠りについた後、すぐに新しい妃をもうけて子供を産ませています。エルヴィン殿下の行為に異を唱える者が少なくありませんでしたが、エルヴィン殿下は聞く耳を持たず、さらにその後は財政を圧迫させ国を窮地に立たせます。それを良しとしないゲイン様の一派がゲイン様と共にエルヴィン殿下を王位から引きずり下ろしました」
まさかそんなことが起こっていたとは信じられず、クレイの話にローラは驚きを隠せない。
「私はいつの間にかあなたが公の場にいないことを不思議に思っていました。ですが当時、敵対し始めていた隣国のことですので詳しいことは何もわからず、きっと魔法の効果もあって、あなたはどこか別の場所で幸せに暮らしているのだろうと思っていたのです」
苦笑しながらクレイは話す。
「エルヴィン殿下は失脚した後、断罪されました。妃となったご令嬢とその子供は、国から追放されたそうです。事実を知って……少しは、気が晴れましたか?」
ローラをジッと見つめながら、静かにクレイは聞く。ヴェルデも心配そうにローラを見つめた。
「……気が晴れたかどうかは、正直わかりません。エルヴィン殿下のことを思い出すと体はこわばりますし、胸が苦しくなります。でも、少しずつ、あの頃のことを過ぎ去った昔のことなのだと思えるようになってきました。きっと、ヴェルデ様と一緒にいる今に夢中になれているからだと思います」
ローラの言葉に、ヴェルデは目を輝かせた。
「そうですか、それならよかった。もう、大丈夫ですね」
クレイがそう言うと、ローラは静かに微笑みうなずいた。
「エルヴィン殿下は、あなたが眠りについた後、すぐに新しい妃をもうけて子供を産ませています。エルヴィン殿下の行為に異を唱える者が少なくありませんでしたが、エルヴィン殿下は聞く耳を持たず、さらにその後は財政を圧迫させ国を窮地に立たせます。それを良しとしないゲイン様の一派がゲイン様と共にエルヴィン殿下を王位から引きずり下ろしました」
まさかそんなことが起こっていたとは信じられず、クレイの話にローラは驚きを隠せない。
「私はいつの間にかあなたが公の場にいないことを不思議に思っていました。ですが当時、敵対し始めていた隣国のことですので詳しいことは何もわからず、きっと魔法の効果もあって、あなたはどこか別の場所で幸せに暮らしているのだろうと思っていたのです」
苦笑しながらクレイは話す。
「エルヴィン殿下は失脚した後、断罪されました。妃となったご令嬢とその子供は、国から追放されたそうです。事実を知って……少しは、気が晴れましたか?」
ローラをジッと見つめながら、静かにクレイは聞く。ヴェルデも心配そうにローラを見つめた。
「……気が晴れたかどうかは、正直わかりません。エルヴィン殿下のことを思い出すと体はこわばりますし、胸が苦しくなります。でも、少しずつ、あの頃のことを過ぎ去った昔のことなのだと思えるようになってきました。きっと、ヴェルデ様と一緒にいる今に夢中になれているからだと思います」
ローラの言葉に、ヴェルデは目を輝かせた。
「そうですか、それならよかった。もう、大丈夫ですね」
クレイがそう言うと、ローラは静かに微笑みうなずいた。