目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
「それではそろそろ休みましょうか。あ、お二人は同じ部屋でいいですよね?それともローラ様、今夜は私と一緒に寝ますか?」

「師匠!」

「ははは、冗談が通じない弟子だなぁ」

「あなたが言うと冗談に聞こえないんですよ!」

 ヴェルデがむきになると、クレイは笑いながらそういえば、と懐から何かを取り出した。

「あなたたちはまだ体を重ねていないようですね。ローラ様、ヴェルデに不満でも?」

「ち、違います!不満だなんてそんな」

 どうしてまだ体を重ねていないとわかったのだろう。規格外の魔術師であるヴェルデの師匠ともなれば、やはりそんなこともわかってしまうのだろうか。ローラが恥ずかしさのあまり赤面していると、クレイがヴェルデに懐から取り出した小瓶を手渡す。

「そうですか。ヴェルデ、もしもの時はこれを使うといい」

「何ですかこれ、嫌な予感しかしませんけど」

「ふふふ、夜の営みに使うとすごくいいものだよ」

「いりません!」



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