目覚めた眠り姫は目覚めさせてくれた魔術師に恋をする
「ガレス殿下とはお話に?」
「あぁ、さっき挨拶を済ませてきた。あいかわらず豪快というか大胆な方だね」
「誰が大胆だって?」
メイナードの背後からひょこっと顔を出したのは、当の本人であるガレスだ。
「こういう正式な場で、背後から突然現れるとは……そういうところが大胆なんですよ」
メイナードが苦笑すると、そうか?とガレスは嬉しそうに笑う。
「ずいぶんと楽しそうなメンツがそろっているから、俺も一緒に話をしたいと思ってな」
「ガレス殿下、こういう場ではあまり目立つ行為はなさらないでくださいね。側近の者たちが青ざめてしまいます」
ガレスの後ろでひやひやした顔をしている側近たちを見ながら、ヴェルデが進言する。だがガレスはどこ吹く風だ。
「そういえば、今回は珍しく第二王子も一緒に来たんだな」
ガレスがメイナードにそう言うと、メイナードは少し顔を曇らせ小声になった。
「ええ、どうやらローラ様にお会いしたいようです。……実は、国内でローラ様をティアール国に呼び戻す計画が水面下で行われているようなのですが」
メイナードの発言にローラは驚き、ヴェルデの顔が一気に険しくなる。そんなヴェルデを制すようにガレスは手で遮り、メイナードに尋ねた。
「それに、第二王子が関わっていると?」
「まだ断言はできません。ですが、ローラ様に非常に高い関心を示しているのは間違いないでしょう」
メイナードが苦々しくそう答えると、ガレスは離れた場所で他の貴族と談笑するティアール国の第二王子、アンドレを見つめた。メイナードの異母兄弟であり、ティアール国の第二王子である。やや長めの黒髪にルビー色の瞳で、メイナードと同じく優男の顔立ちをしている。だが、いつも寡黙で何を考えているかよくわからないと陰で噂されていた。
「あぁ、さっき挨拶を済ませてきた。あいかわらず豪快というか大胆な方だね」
「誰が大胆だって?」
メイナードの背後からひょこっと顔を出したのは、当の本人であるガレスだ。
「こういう正式な場で、背後から突然現れるとは……そういうところが大胆なんですよ」
メイナードが苦笑すると、そうか?とガレスは嬉しそうに笑う。
「ずいぶんと楽しそうなメンツがそろっているから、俺も一緒に話をしたいと思ってな」
「ガレス殿下、こういう場ではあまり目立つ行為はなさらないでくださいね。側近の者たちが青ざめてしまいます」
ガレスの後ろでひやひやした顔をしている側近たちを見ながら、ヴェルデが進言する。だがガレスはどこ吹く風だ。
「そういえば、今回は珍しく第二王子も一緒に来たんだな」
ガレスがメイナードにそう言うと、メイナードは少し顔を曇らせ小声になった。
「ええ、どうやらローラ様にお会いしたいようです。……実は、国内でローラ様をティアール国に呼び戻す計画が水面下で行われているようなのですが」
メイナードの発言にローラは驚き、ヴェルデの顔が一気に険しくなる。そんなヴェルデを制すようにガレスは手で遮り、メイナードに尋ねた。
「それに、第二王子が関わっていると?」
「まだ断言はできません。ですが、ローラ様に非常に高い関心を示しているのは間違いないでしょう」
メイナードが苦々しくそう答えると、ガレスは離れた場所で他の貴族と談笑するティアール国の第二王子、アンドレを見つめた。メイナードの異母兄弟であり、ティアール国の第二王子である。やや長めの黒髪にルビー色の瞳で、メイナードと同じく優男の顔立ちをしている。だが、いつも寡黙で何を考えているかよくわからないと陰で噂されていた。