アイドル様は天然キラー

その後、自室に戻って翌朝を迎えた。



目を開けると、横を向いている私の目の前にNAKIがすやすやと寝息を立てて寝ているのが視界に入った。



「ヒギャァ!?」



叫び声を上げてNAKIから距離を取る。



ベットの隅まで移動して昨日のことを思い出す。



NAKIは兄さんの部屋に行ってたはずだ、この目で確認したし。



なのに、なんで私の部屋で寝てるの!?



昨日もだったけど、なんで!?Why!?



「ん〜・・・もう朝・・・?」



私の叫び声で起きてしまったのか、NAKIが薄目を開けて私の方を見た。



そして、ん〜・・・と唸りながら眠そうに目をこする。



相変わらず寝起きはふにゃふにゃなのね・・・!!可愛いなぁ!!



「あの・・・昨日も気になったんですけど、なんで私の部屋で寝てるんですか・・・?」



「ん〜・・・1人じゃ寝れないから・・・」



「理由可愛いなぁ!?でも倫理的にダメですよ・・・!?」



思わず可愛いと口に出してしまうけど、NAKIはそんなこと気にせず2度寝をしようとする。



まぁ、今日は休日で時間的にまだ余裕ありそうだし寝かせておこうかな。



そう考えてベットから出ようとした時、パシッと手を掴まれる。



そして、グイッと腕を引かれてしまい、ベットへ逆戻りしてしまう。



「ちょっ・・・!?ちょっとNAKI!?」



「やだ・・・行かないで・・・」



ベットに倒れ込みながらもNAKIの方を見ると、私の手を握りしめて顔の近くに持っていく。



か・・・可愛い・・・!!



可愛いけど!!私のライブがゼロになる!!



推しに手握られてんだけど!?



手汗やべぇ〜・・・!!ちょっと離して欲しい!!



しかも何!?行かないでって!!



可愛すぎか!?



うつむいてNAKIの可愛さに悶えていると、NAKIの設定していたアラームがなり始める。



しかも、結構の大音量に設定されているみたいで少しうるさい。



「NAKI、アラーム鳴ってますよ」



「ん〜・・・やだ・・・眠いもん・・・」



アラームを止めることなくモゾモゾと寝ようとするNAKI。



こんなにうるさい環境でも寝ようとするのね・・・。



寝起きの悪さは折り紙つきのようだ。



「アラーム止めますよ?」



「ん〜・・・」



空いた方の手でNAKIのスマホを手に取り、アラームを止めた。



すると、うるさいアラームから解放されたNAKIは2度寝を始める。



それから10分、私は解放されなかった。


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