アイドル様は天然キラー

NAKIから解放された私はキッチンに向かって朝食の準備を始める。



とは言っても、たまご数個とパンぐらいしかないんだけど・・・。



2日連続でパンになっちゃうけど、卵マヨトーストにするか。



そう考えた私は、パンを3枚オーブントースターに入れたあと、卵を手に取ってスクランブルエッグを作る要領で卵に火を入れる。



出来上がったスクランブルエッグにマヨネーズを足して、軽くコショウを振る。



それを混ぜて、焼きあがったパンに載せれば完成だ。


カフェオレも同時に作っていたから、あとは焼き上がりを待つだけだ。



「凛、何作ってるの?」



オーブントースターの前で焼き上がりを待っていると、目が覚めたであろうNAKIがキッチンに顔を出す。



お腹すいたのかな?



「卵マヨトーストです。もうすぐできるのでもう少し待っててください」



「・・・卵マヨ?」



私の発した“卵マヨ”という言葉にピンと来てないのか、首をかしげながら私と同じ言葉を繰り返すNAKI。



もしかして、知らないのかな?、卵マヨトースト。



「スクランブルエッグみたいにした卵にマヨネーズを足して混ぜたものです。食べたことありますか?」



「・・・ううん、ない」



あごに手を当てて考えるNAKIは、心当たりがないと言わんばかりの反応をする。



NAKIはマヨネーズ嫌いな訳では無いから食べれそうな気はするけど・・・食べたことないものを食べるのは勇気がいるだろうし・・・。



「マヨネーズが苦手とかじゃない限り不味くはないと思うんですけど・・・ダメそうなら別なもの作りますよ?買い物行かなきゃいけないので少し遅くなりますが・・・」



「ううん、食べる。凛の作るご飯、どれも美味しいから」



「ヒョェ・・・あ、ありがとうございます・・・!」



NAKIの口から意外な言葉が飛び出してくる。



まさか美味しいと言って貰えるとは思わなくて変な反応をしてしまった。



推しに美味しいと言って貰える喜びったらねぇよ・・・!!



よかったァ、いつも料理してて。



そんなことを考えていると、オーブントースターから焼きあがった時になる音が鳴った。



オーブントースターから焼きあがったパンを皿に移し、その上にさっき作ったものを乗せる。



「凛、持ってく」



「あっ、ありがとうございます」



出来上がった皿を置こうとした時、NAKIが皿を受け取ってテーブルへと持っていく。



ナチュラルにカフェオレも持っていったし・・・出来る子かよ。



そんなことを考えながら私の分の皿とカフェオレを持ってテーブルへと向かった。



向かい合うように座り、手を合わせたあと卵マヨトーストを口にするNAKI。



「っ・・・!!美味しい・・・!!」



パァッと表情を明るくして美味しそうにパクパクと食べ始める。



良かった、口にあったみたい。



ていうかリスみたいに口に頬張ってモグモグ食べてるNAKI可愛いんだけど・・・!!



「くぅ〜・・・可愛い!!あんまり詰め込むとむせますよ・・・!!」



「ん〜」



尊さのあまり思わず口に出してしまうけど、モグモグしながら返事をするNAKI。



朝からこんな可愛い推しを見れるとかここは天国か?



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