アイドル様は天然キラー

閉演後、Twitterを確認するとNAKIのファンサについての話題で持ち切りだった。



“ねぇ、見た!?あのNAKIがファンサした!!”



“NAKIが滅多にしないファンサしたあとの微笑み!!マジでやばかった!!”



“マジでNAKIのファンサで惚れた・・・無理・・・”



スクロールする度に出てくるNAKIのファンサの件。



やっぱりこうなるよね〜・・・知ってた。



皆NAKIのファンサのことに対して呟いてる・・・でも、あれは騒ぐよね。



私もNAKIが私の家に居なかったら騒いでたもん。



そんなことを考えながらTwitterを見ていると、ある1件のツイートを見つける。



“NAKIのあれ、確定ファンサだよね?誰にしたの?”



そのツイートはかなり拡散され数え切れないほどのリプライが送られていた。



“誰よ、ファンサしないNAKIに確定ファンサ貰ったやつ”



“NAKIの可愛いファンサ見れたからいいけど確定ファンサ貰ったやつは許さん”



そんなことばかり書かれていて、“NAKIのファンサ”でトレンド入りしていた。



ヒェ・・・怖・・・。



リビングのソファーに座りながら、NAKIに関するツイートを眺めている時、元凶であるNAKI──奈央樹くんが帰ってきた。



「ただいま」



「お、おかえりなさい」



奈央樹くんと同居するようになってからかなり経つけど、まだ“おかえり”というのに慣れない。



いつもこれを言う度に、NAKIにおかえりとか言っちゃったから過激派に殺される!!とか考えてしまう。



「どうだった?今日の公演」



「最高でした」



奈央樹くんの問いかけに、即答する。



だけど、奈央樹くんのファンサのせいでTwitterが荒れに荒れてるんですよ、知ってますか?



「だけど・・・あんなファンサの仕方はさすがにヤバいと思うよ・・・?皆、“誰に確定ファンサしたんだ”ってTwitterで犯人探しみたいになってるし・・・ウワサされちゃうよ?」



さすがにヤバいかなと思った私は、素直に現状を伝える。



それを伝えても、奈央樹くんは特に気にすることはなかった。



「凛ならいいよ。ウワサされても」



「・・・・・・」



気にしない所か、私の方を向いて微笑みながら良いと断言してしまった奈央樹くん。



そんな彼の言葉に思考が停止し、呆然として奈央樹くんのことを見つめる。



「じゃあ、俺お風呂入ってくる」



そう言って、お風呂場へと向かっていく奈央樹くん。



奈央樹くん、今、なんて言った?



私とならウワサされてもいいよって感じのこと言ってなかった?



「・・・ヒギャァァァ!?」



その言葉を理解した途端、過剰なファンサに叫び出す。



そんなこと言ったらオタクは軽率に発狂するって!!



NAKIからのファンサが過剰供給すぎて致死量なんだって言ったのにわかってないあの子!!



そんなことを考えながら、尊さのあまりソファーに倒れ込みながら胸を押さえて押し寄せる萌えに悶えていた。



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