アイドル様は天然キラー
小豆沢 凛side
奈央樹くんと過ごすようになってからかなりの月日が流れた。
以前拾った子猫2匹も、一緒に暮らしている。
とは言っても、推しがいる生活というものは慣れなくて、何かにつけて叫んでいる。
だって推しがファンサしてくるんだよ!?
大人しくしてろって方が無理だもん!!
今日も今日とて推しとの共同生活をしているわけなんだけど・・・。
「ねぇ、凛。このドラマ見て」
「え?何それ?」
「今度配信で宣伝するドラマ。悲恋物だって」
帰ってきた奈央樹くんが1枚のDVDを持ちながら部屋に入ってくる。
最近、ドラマや漫画などの宣伝を引き受けることが多くなったと話してたからまたその件だろう。
だけど・・・悲恋物かぁ・・・。
「私、そういうの苦手なんだよなぁ・・・」
そう、私は悲恋物は苦手だ。
相手に感情移入して、しんどくなってしまう。
だからこそ、ハッピーエンドものを好んで見てるんだけど・・・。
「苦手な人でも見れる内容らしいし、一緒に見よ?」
「そこまで言うなら・・・わかった」
「ありがとう、感想も聞かせて貰えると助かる」
そういうと、奈央樹くんがテレビに近付いてDVDを再生する。
ソファーに座ってそのドラマを隣に座って鑑賞し始めた。
その物語は、世のために戦うというものだった。
物語は進んでいき、主人公が戦いに出てヒロインの腕の中で亡くなってしまうという展開になる。
例に漏れず、私はヒロインに感情移入してしまい、涙が溢れ出した。
「凛、どうだっ──。!!」
エンドロールが流れ、奈央樹くんが私の方を向いた時、目を丸くして驚いているようだった。
「ゔ〜・・・なんだよぉ〜・・・なんでそこまでいってくっつかないんだよぉ〜・・・!!戦うな、あの子の為に逃げる選択をしろ〜!!」
べそべそと泣きながら感想を漏らす。
こうなることを予測して用意していたハンカチを握りしめながらボロボロと涙を流す。
すると、奈央樹くんは何も言わずにポンポン、と背中をさすり始める。
「あー・・・ダメ、思い出すだけで泣けてくる・・・私だったら耐えられないもん・・・」
「・・・・・・」
グスッと鼻をすすりながら、ドラマを見た余韻でさらに泣けてくる。
やばい、これはしばらく引きずるぞ。
そう考えていた時、奈央樹くんが私の方に体を寄せてきて、顔を近付けてくる。
そして、何を思ったのか私の目元をペロッと舐めてきた。
「ヒョァッ・・・!?」
奈央樹くんが何をしたのかわからなかった私は、驚きと動揺のあまり固まってしまう。
涙はその衝撃で止まったようだ。
「・・・止まった?」
「そりゃあ・・・出るもんも引っ込むわ・・・なにしてんの?」
近付けていた顔を遠ざけ、私のことを見る奈央樹くん。
私の方に体をかたむけながら私のことをのぞきこんでくる奈央樹くんになにをしてるのか問いかけた。
「凛が泣いてるの、見たくなかったから」
「え・・・なんで・・・?」
「・・・なんでだろ・・・わかんないけど・・・凛には、笑ってて欲しい」
そう言いながら、まだ頬に伝っていた涙を指で拭いながら言葉を続ける奈央樹くん。
自分でも理解してないんかい。
「そ、そっか・・・」
笑ってて欲しい、か。
奈央樹くんと過ごすようになってからかなりの月日が流れた。
以前拾った子猫2匹も、一緒に暮らしている。
とは言っても、推しがいる生活というものは慣れなくて、何かにつけて叫んでいる。
だって推しがファンサしてくるんだよ!?
大人しくしてろって方が無理だもん!!
今日も今日とて推しとの共同生活をしているわけなんだけど・・・。
「ねぇ、凛。このドラマ見て」
「え?何それ?」
「今度配信で宣伝するドラマ。悲恋物だって」
帰ってきた奈央樹くんが1枚のDVDを持ちながら部屋に入ってくる。
最近、ドラマや漫画などの宣伝を引き受けることが多くなったと話してたからまたその件だろう。
だけど・・・悲恋物かぁ・・・。
「私、そういうの苦手なんだよなぁ・・・」
そう、私は悲恋物は苦手だ。
相手に感情移入して、しんどくなってしまう。
だからこそ、ハッピーエンドものを好んで見てるんだけど・・・。
「苦手な人でも見れる内容らしいし、一緒に見よ?」
「そこまで言うなら・・・わかった」
「ありがとう、感想も聞かせて貰えると助かる」
そういうと、奈央樹くんがテレビに近付いてDVDを再生する。
ソファーに座ってそのドラマを隣に座って鑑賞し始めた。
その物語は、世のために戦うというものだった。
物語は進んでいき、主人公が戦いに出てヒロインの腕の中で亡くなってしまうという展開になる。
例に漏れず、私はヒロインに感情移入してしまい、涙が溢れ出した。
「凛、どうだっ──。!!」
エンドロールが流れ、奈央樹くんが私の方を向いた時、目を丸くして驚いているようだった。
「ゔ〜・・・なんだよぉ〜・・・なんでそこまでいってくっつかないんだよぉ〜・・・!!戦うな、あの子の為に逃げる選択をしろ〜!!」
べそべそと泣きながら感想を漏らす。
こうなることを予測して用意していたハンカチを握りしめながらボロボロと涙を流す。
すると、奈央樹くんは何も言わずにポンポン、と背中をさすり始める。
「あー・・・ダメ、思い出すだけで泣けてくる・・・私だったら耐えられないもん・・・」
「・・・・・・」
グスッと鼻をすすりながら、ドラマを見た余韻でさらに泣けてくる。
やばい、これはしばらく引きずるぞ。
そう考えていた時、奈央樹くんが私の方に体を寄せてきて、顔を近付けてくる。
そして、何を思ったのか私の目元をペロッと舐めてきた。
「ヒョァッ・・・!?」
奈央樹くんが何をしたのかわからなかった私は、驚きと動揺のあまり固まってしまう。
涙はその衝撃で止まったようだ。
「・・・止まった?」
「そりゃあ・・・出るもんも引っ込むわ・・・なにしてんの?」
近付けていた顔を遠ざけ、私のことを見る奈央樹くん。
私の方に体をかたむけながら私のことをのぞきこんでくる奈央樹くんになにをしてるのか問いかけた。
「凛が泣いてるの、見たくなかったから」
「え・・・なんで・・・?」
「・・・なんでだろ・・・わかんないけど・・・凛には、笑ってて欲しい」
そう言いながら、まだ頬に伝っていた涙を指で拭いながら言葉を続ける奈央樹くん。
自分でも理解してないんかい。
「そ、そっか・・・」
笑ってて欲しい、か。