アイドル様は天然キラー
西園寺 奈央樹side
最近、配信をする度にアンチコメントが来るようになった。
リビングのソファーに座りながら、前の配信の動画のコメント欄を見つめる。
その欄にまた同じアカウントからアンチコメントが来ていた。
嫌なら見なきゃいいのに・・・。
まぁ、コメント欄を見なければいいだけの話なんだけど・・・何個も似たようなコメントを載せ続けているから必然的に目に入ってしまう。
こんな活動をしているからアンチされることは覚悟してたし、特に気にしては無いけど・・・。
最近は俺だけじゃなく、バイオレットフィズのメンバーにも言及するようになってきている。
俺だけならまだ耐えられるのに、メンバーまでけなされると、やるせなくなってくる。
「あれ?奈央樹くん・・・?どうしたの?」
「!!・・・凛・・・」
顔を上げると、リビングに入ってきた凛が不思議そうに俺を見つめていた。
いつもなら凛が来たらわかるのに、気付かなかった。
それだけ、メンタルに来てるってことなのかな?
「いつもと様子違うよ?・・・もしかして、アンチコメント?」
「!!」
俺が何も言わなくても俺の様子がちがうことに気が付き、なおかつアンチコメントについて悩んでることも言い当てられてしまった。
凛には隠し事できないな・・・。
「・・・うん。また同じアカウントから来てた」
「あー・・・やっぱり・・・!!最近の動画にアンチコメかなり送られてたからもしかしてと思ってたんだ」
俺の隣に座りながらスマホの画面を見せてくる凛。
まぁ、凛は俺の配信を毎回見てくれてるし気付くよね。
「うん。全部俺のアンチ。・・・嫌なら見なきゃいいのに、全部に何回も書いてるんだ」
「・・・ファンの子が、推しから認知が欲しいからってわざとアンチコメント残すことがあるって聞いたことある。もしかするとそれかもしれないね」
正直な心境を伝えると、凛はわざとアンチコメントをしてるんじゃないかと疑っているようだ。
その線もあるけど・・・だとしたら俺だけにして欲しい。
ほかのメンバーが悪く言われてる所なんて、見たくない。
「俺はいい。・・・だけど、バイオレットフィズに対しても言い始めてる。・・・なんか、それが嫌だ」
感情がごちゃごちゃになって、どうすることも出来なくなった俺は、凛に甘えたくなって隣に座っている凛の肩に寄りかかる。
また叫ぶかな・・・?
でも、今は凛の反応を見て癒されたかった。
「!!・・・そうだね」
「!!」
だけど凛は叫び声をあげることなく、寄りかかった俺の頭を撫で始めた。
いつもの凛なら叫びそうなものなのに・・・それだけ、真剣に聞いてくれてるってことかな。
そんなことを考えながら、凛の肩にグリグリと頭をすりつける。
「NAKIの良さもバイオレットフィズの良さも、私が・・・私達がよく知ってる。大丈夫だよ。大丈夫」
頭を抱きかかえるようにして腕を回して、励ましの言葉をかけながら撫で続ける凛。
凛の手・・・暖かい・・・。
あぁ・・・好きだなぁ・・・。
「!!」
目を閉じながら凛のされるがままになっていた時、ふと自分が思ったことにハッとした。
俺、今、凛のこと好きだと思った!?
そのことに気付いた途端、凛から勢いよく離れる。
そして、呆然としながら驚いている凛のことを見つめた。
「ど・・・どうしたの・・・、あっ、もしかして嫌だった!?ごめん!」
「いやっ、違くて・・・!!なんか・・・その・・・嫌じゃないから困るって言うか・・・その・・・」
どう伝えようかと考えると、気恥ずかしくなって言葉が上手く出てこない。
自分がいつの間にか凛のことを好きになっていたということに驚きを隠せず、しどろもどろになる。
そんな俺の反応にハテナを浮かべながら首を傾げる凛。
「な、なんでもない!!・・・話、聞いてくれてありがとう・・・!!」
ソファーから立ち上がってリビングから部屋へと向かう。
パタン、と部屋の中に入って扉を閉めたあと扉にもたれかかる。
「・・・参ったな・・・」
熱くなった頬を冷ますように、口元に手の甲を当てて一息つく。
俺・・・いつの間にか、凛のこと好きになってたんだ・・・。
最近、配信をする度にアンチコメントが来るようになった。
リビングのソファーに座りながら、前の配信の動画のコメント欄を見つめる。
その欄にまた同じアカウントからアンチコメントが来ていた。
嫌なら見なきゃいいのに・・・。
まぁ、コメント欄を見なければいいだけの話なんだけど・・・何個も似たようなコメントを載せ続けているから必然的に目に入ってしまう。
こんな活動をしているからアンチされることは覚悟してたし、特に気にしては無いけど・・・。
最近は俺だけじゃなく、バイオレットフィズのメンバーにも言及するようになってきている。
俺だけならまだ耐えられるのに、メンバーまでけなされると、やるせなくなってくる。
「あれ?奈央樹くん・・・?どうしたの?」
「!!・・・凛・・・」
顔を上げると、リビングに入ってきた凛が不思議そうに俺を見つめていた。
いつもなら凛が来たらわかるのに、気付かなかった。
それだけ、メンタルに来てるってことなのかな?
「いつもと様子違うよ?・・・もしかして、アンチコメント?」
「!!」
俺が何も言わなくても俺の様子がちがうことに気が付き、なおかつアンチコメントについて悩んでることも言い当てられてしまった。
凛には隠し事できないな・・・。
「・・・うん。また同じアカウントから来てた」
「あー・・・やっぱり・・・!!最近の動画にアンチコメかなり送られてたからもしかしてと思ってたんだ」
俺の隣に座りながらスマホの画面を見せてくる凛。
まぁ、凛は俺の配信を毎回見てくれてるし気付くよね。
「うん。全部俺のアンチ。・・・嫌なら見なきゃいいのに、全部に何回も書いてるんだ」
「・・・ファンの子が、推しから認知が欲しいからってわざとアンチコメント残すことがあるって聞いたことある。もしかするとそれかもしれないね」
正直な心境を伝えると、凛はわざとアンチコメントをしてるんじゃないかと疑っているようだ。
その線もあるけど・・・だとしたら俺だけにして欲しい。
ほかのメンバーが悪く言われてる所なんて、見たくない。
「俺はいい。・・・だけど、バイオレットフィズに対しても言い始めてる。・・・なんか、それが嫌だ」
感情がごちゃごちゃになって、どうすることも出来なくなった俺は、凛に甘えたくなって隣に座っている凛の肩に寄りかかる。
また叫ぶかな・・・?
でも、今は凛の反応を見て癒されたかった。
「!!・・・そうだね」
「!!」
だけど凛は叫び声をあげることなく、寄りかかった俺の頭を撫で始めた。
いつもの凛なら叫びそうなものなのに・・・それだけ、真剣に聞いてくれてるってことかな。
そんなことを考えながら、凛の肩にグリグリと頭をすりつける。
「NAKIの良さもバイオレットフィズの良さも、私が・・・私達がよく知ってる。大丈夫だよ。大丈夫」
頭を抱きかかえるようにして腕を回して、励ましの言葉をかけながら撫で続ける凛。
凛の手・・・暖かい・・・。
あぁ・・・好きだなぁ・・・。
「!!」
目を閉じながら凛のされるがままになっていた時、ふと自分が思ったことにハッとした。
俺、今、凛のこと好きだと思った!?
そのことに気付いた途端、凛から勢いよく離れる。
そして、呆然としながら驚いている凛のことを見つめた。
「ど・・・どうしたの・・・、あっ、もしかして嫌だった!?ごめん!」
「いやっ、違くて・・・!!なんか・・・その・・・嫌じゃないから困るって言うか・・・その・・・」
どう伝えようかと考えると、気恥ずかしくなって言葉が上手く出てこない。
自分がいつの間にか凛のことを好きになっていたということに驚きを隠せず、しどろもどろになる。
そんな俺の反応にハテナを浮かべながら首を傾げる凛。
「な、なんでもない!!・・・話、聞いてくれてありがとう・・・!!」
ソファーから立ち上がってリビングから部屋へと向かう。
パタン、と部屋の中に入って扉を閉めたあと扉にもたれかかる。
「・・・参ったな・・・」
熱くなった頬を冷ますように、口元に手の甲を当てて一息つく。
俺・・・いつの間にか、凛のこと好きになってたんだ・・・。