アイドル様は天然キラー
時は過ぎ、2月──
バイオレットフィズ公式からバレンタインのチョコを送れるようになっていた。
私もNAKIにチョコを送るためにNAKIの好物であるトリュフを作り始める。
ちょうど奈央樹くんもいないし、作るにはちょうどいい。
あまり作りなれてないお菓子作りをするからと、スマホでレシピを表示させながら作る。
レシピ通りに作り進めていく中、ふと考える。
公式からチョコレート送れるってなってるから、と届く量って半端じゃないよね?
大量に届いたチョコってどうするんだろう・・・。
やっぱり、食べるのかな?
だとしたらNAKIが大変な目にあうんじゃ・・・。
「・・・・・・出さない方がいい、よね・・・多分・・・」
作り始めた手前、途中でやめるわけにはいかないけど、チョコを送るのはやめておこう。
NAKIが糖尿病になっちゃう。
そんなことを考えながらもトリュフは出来上がってしまった。
せっかくラッピングも買ったから一応詰めておこう。
あとは、冷ましてから自分で食べよ。
箱に詰めてラッピングをしてから冷蔵庫の中にしまう。
あとは、使ったものを片付けるだけだ。
「あれ?何してるの?」
「!?」
片付けに取り掛かろうとした時、奈央樹くんが帰ってきたみたいでキッチンへと入ってくる。
私は驚いて、手にしていたものをシンクへ落としてしまう。
「な、なんでもないよ!!あは、あはは」
「・・・そっか。俺、シャワー浴びてくるね」
チョコの着いている洗い物を背に庇うようにして笑って誤魔化す。
それを見た奈央樹くんは一瞬考えてからシャワーを浴びるためにお風呂場へと向かっていった。
何とか誤魔化せたと安堵し、奈央樹くんがシャワーを浴びている間に片付けを済ませちゃお。