アイドル様は天然キラー

翌日──



「ん・・・朝・・?」



目が覚めると、外がうっすらと明るくなり始めていた。



部屋にある時計を見てみると、まだ5時半になっていない。



まだ1時間ぐらいは寝れそうだ。



一息ついて寝返りを打とうとした時、私の左脇にNAKIが寝ていることに気がついた。



「・・・は?」



至近距離にNAKIがいるというこの状況が飲み込めず、一瞬時が止まる。



何事・・・?なんでNAKIが隣で寝てるわけ?



寝ぼけて寝床間違えましたってレベルじゃない間違い方してない?



規則正しい寝息を立てているNAKIを見つめながら考えをめぐらせる。



だけど、いくら考えてもこの状況になった経緯が分からない。



・・・夢だということにしよう。



「・・・寝よ」



思考を放棄するかのように、目を閉じて再び寝ようとした時、モゾモゾと身動ぎをするNAKI。



目を開けるとさっきまで寝ていたNAKIが起きたようで、ボーッとこちらを見つめていた。



「・・・凛、おはよぉ・・・」



「ヒギャァァッ!?」



寝起きの少し声の掠れた声で名前を呼ばれた挙句、朝の挨拶をされてこの状況のことをようやく理解した私は思わず叫び声をあげる。



今、私NAKIの隣で寝てたってことだよね!?



殺される・・・過激派オタクに殺されるぅ!!



「んぅ・・・なーに・・・?」



掠れ気味の声で甘えたように呟くNAKI。



そんな声は反則だぁ!!



「なっ、ななな、なんでっ・・・!?はぁ!」



飛び起きてNAKIから距離をとるためにベットから飛び降り、頭を押さえたり体を押さえたり挙動不審になる。



そんな私を差し置いて、横になったままを目を擦る。




「・・・ねぇ、まだ起きるには時間あるよ・・・もう少し寝よう・・・?」



「え・・・わっ・・・!?」



ゴソゴソと近寄って来て、私の腕を掴んでベットへと引き寄せるNAKI。




意外と強い力で引き寄せられ、私は体勢を崩してベットへと倒れ込んでしまう。



さっきと同じ格好になり、さすがにいたたまれなくなる。



「な、NAKI・・・さすがに隣で寝るのは・・・!!」



「いいから・・・もう少し・・・」



「ひょわぁ!?」



さすがにNAKIの隣で寝るのは倫理観から見てもダメだろう。



そう思ってベットから起き上がろうとした時、NAKIに腕を回されて横から抱きしめられ、頭を撫でられる。



色々キャパオーバーな私は、グルグルと目が回る。



NAKIに頭を撫でられるってどんなご褒美!?



だけど・・・NAKIが触れてるところ・・・暖かい・・・。



頭を撫でる手も、とても優しくて・・・。



徐々にまぶたが重くなり、目を開けていられなくなる。



そのまま、意識が暗がりへと落ちていった。


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