アイドル様は天然キラー
闇に沈んでいた意識が再び浮上した時、私に抱きつくようにして寝ているNAKIの姿があった。
寝起きのせいで頭が働いてないのか、この状況が飲み込めずに目を白黒させて寝ているNAKIを見つめた。
「・・・・・・、ヒギャァァ!?」
NAKIを見ているうちに寝る前の出来事を思い出し、起き上がって再び悲鳴をあげる。
NAKIに抱きしめられた挙句、その腕の中で寝てしまった・・・!!!
殺されるどころの話じゃない・・・!!
「んんっ・・・?」
私の叫び声と起き上がった衝撃でNAKIが起きたのか、パチッと目を開ける。
やばい、推しを起こしちゃった・・・!!
「・・・なに・・・もう起きる時間なの・・・?“三咲”さん・・・」
・・・みさきさん・・・?
私、みさきじゃないんだけど・・・。
もしかして、知り合いの名前かな?
「起きる時間というか・・・起きてもらいたい時間というか・・・!!」
「ん・・・後5分・・・」
「いえ、私が持ちません!起きて・・・!!・・・貰わなくてもいっか・・・私は起きます!」
「ん〜・・・やだぁ〜・・・」
「ひょわぁっ・・・!?」
ベットから降りようとした時、後ろから腰に抱きつかれて身動きが取れなくなってしまう。
後ろを振り向くと私の体にひしっとしがみつき、腰の脇に顔をくっつけて寝ようとしていた。
NAKIって、寝起きあんまり良くないんだ・・・可愛い・・・。
──いや、可愛いけど!!この状況はダメだろ!?
「ちょっ・・・!!NAKI!!離してください・・・!」
「ん〜・・・やぁ・・・」
「やぁって・・・赤ちゃんかよ・・・!!可愛い・・・!!」
NAKの行動の可愛さに顔を押さえて悶える。
いつもはクールなNAKIの可愛い寝起き・・・家宝だろこんなん!!
だけど、この状況はマズイ。
ただのオタクが推しに抱きつかれてる状況なんて、バレた日には殺される!!
「可愛いけど!!こんなことしちゃダメです!!離れてください・・・!!」
そう思い私の腰に回された腕を引き離そうとするけど、意外と力が強くて離れない。
なんなら、さっきより抱きしめる力が強くなってる気がする。
ど、どうしよう・・・このままNAKIが起きるまでこうしてるしかないのかな・・・?