ロマンスに心酔
「て、え、さなちんじゃん!大丈夫!?」
「せ、んぱ、い⋯⋯」
「どしたん?こんなとこで」
「あ、の、これ、を⋯⋯」
「ああ、レポート?出してくるよ」
「あ、りがと、ござい、ます」
当時4年生だったせんぱいは、レポート課題が出ていた教授のゼミに所属していたそうで、教授に用があってたまたま通りかかったらしい。
このときも近くで水を買ってきてくれて、それからしばらく、落ち着くまでそばにいてくれた。
「無理、は、して、ないです。ただ、ちょっと、眠れなくて⋯⋯」
水で喉を潤してから、また横にならせてもらう。
仕事量はいつも通り。
ストーカー疑惑のせいで眠れていないと、言ってしまってもいいものかと思い悩む。
せんぱいはやさしいから、助けようとしてくれるだろう。
でも、これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。