ロマンスに心酔



「うれしい、毎日つけます」


「ん」


「ありがとうございます」


マフラーごとせんぱいに抱きつく。

温かい体温とやさしい匂いに安心する。


しばらく堪能してから離れ、どちらからともなく顔を近づける。


だんだんと深くなっていくキス。

息が上がってきて、せんぱいのスウェットをきゅっと掴むと、そのままゆっくり押し倒される。


「⋯⋯っ、ん⋯⋯」


ようやく唇が離れると、おでこをこつんとぶつけ合う。


「⋯⋯すきだよ」


「ん、わたしも、だいすき⋯⋯」


せんぱいの首に腕を回すと、またキスが始まる。

そのままふたり、濃密な夜に溶けていった。




୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧




この恋は、ロマンスなんて素敵なものには、
なり得ないと思っていた。


願わくば、これから先もずっと、
せんぱいの隣で、


───このロマンスに、心酔していたい。



ロマンスに心酔


Fin.



♡.*・゚




ここまでお読みくださったすべての方に、感謝を込めて。


結城すみれ


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