ロマンスに心酔
朝は白米派のわたしですが、フレンチトーストは大好物なのです。
さっそく起き上がり、せんぱいの背中にぎゅーっと抱きつく。
「フレンチトースト、たのしみです」
「ん。気合い入れてつくるわ」
「ふふ」
頭をぽんぽんと撫でられる。
一度深く息を吸ってせんぱいの匂いを堪能してから、手を離した。
鼻歌を歌いながら洗濯物を畳んでいると、キッチンから微かに音が聞こえ始めた。
せんぱいは家事があまり苦ではないらしい。
料理だけでなく、洗濯や掃除などもわたしが寝ている間に終わらせていることがほとんど。
わたしの家には駐車場がないし狭いので、基本せんぱいの家にお邪魔しているけど、たまーにわたしの家でお泊まりすることもある。
そのときにも率先して家事をやってくれるし、わたしが寝てても何も文句を言わない。
一度、気づいて飛び起きたときには「寝てなさい」と追い返された。
ほんと、どこにも非の打ち所がなくて、完璧なひと。