ロマンスに心酔
「わ〜!ありがとうございます!え、すごい!」
「おめでとう」
なんと、バースデープレートが運ばれてきた。
ミニサイズのホールケーキに花火がぱちぱちと煌めいている。
「よろしければお写真お撮りしましょうか?」
「いいんですか⋯⋯!?お願いします!」
夜景をバックにツーショットを撮ってもらう。
店員さんにお礼を言ったあと、プレートの“さなちゃん お誕生日おめでとう”の文字を見て、とうとう感極まってしまった。
「うー⋯⋯ありがと、ござ、ます」
「あああ、泣かないで⋯⋯」
「泣きますよこんなの〜」
やさしく涙を拭われ、頭を撫でられる。
おかげで少し落ち着いたので、プレートの写真も何枚か撮ってからケーキをいただく。
「んん、おいしい⋯⋯」
生クリームが甘すぎなくて、くどくないのでぺろりと食べられそう。
「せんぱいも、食べてください」
「いいの?やった」
意外と甘いものがすきなせんぱい。
ふたりであっという間に食べ切った。