ロマンスに心酔

華金





せんぱいと正式なお付き合いがスタートして1週間。

あしたは待ちに待った金曜日だ。


きょうは定時で上がれたので帰りにスーパーに寄った。

最近は、せんぱいの影響もあり、定時で上がれたら少し手の込んだ料理をつくっている。

といっても、これまでが適当すぎただけで大したものではない。


本日の献立は、親子丼と野菜スープ。

先にお風呂に入り、のんびりとテレビを観ながら食べていると、ふいにスマホが着信を知らせた。


「っ、もしもし!」

『もしもし、おつかれ』


初めて電話越しに聞くせんぱいの声。

いつもより少し低い。


「おつかれさまです!」

『いま時間大丈夫?』

「大丈夫です!ごはん食べてます」

『お。つくったん?』

「つくりました!親子丼です」

『え、いいなー。食べたくなってきた』

「せんぱいもごはん今からですか?」

『うん、いつものパスタ』

「いいですね!」


たわいもない話をする。


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