ロマンスに心酔
「(はあ、めちゃくちゃきもちかった⋯⋯)」
結構長々と堪能してしまった。
久しぶりに浸かった湯船は広々としていて、入浴剤のおかげもあってか、とってもきもちよかった。
光熱費の節約のためにいつもは浸からないけれど、こんなに癒されるのなら今度から浸かろうかなあ。
「上がりました〜。せんぱい、ドライヤーってありますか?」
「おかえり。あるよ、ちょいまってね」
声をかけにリビングにいくと、とっても美味しそうな匂いがして、お腹がすいてきた。
と、なんだかじっと見られている。
「⋯⋯?」
「いや。すっぴん、いいな。あの頃の面影あるわ」
「!!」
恥ずかしい!
思わず手で顔を覆う。
「ふ、なんで隠すの」
「恥ずかしいからです⋯⋯!」
「ふうん?はい、ドライヤー」
「⋯⋯ありがとうございます」
「おれも風呂入るわ」
受け取るとき、にやにやしたせんぱいの顔が見えたので、ぷいっと顔を背けてやった。