ロマンスに心酔
2
───「⋯⋯ば。青葉」
「⋯⋯っ!」
名前を呼ぶ声がして、はっと目が覚める。
ドアを開けてこっちを見るせんぱいの姿を目に入れて、瞬時に今のこの状況を思い出した。
「おはよ」
「お、はよ、ございます。えと、いま、なんじ⋯⋯?」
「7時過ぎ。よく寝れた?」
「あ、はい、もう、爆睡でした⋯⋯」
「ふ、よかった」
なんだかいい匂いがする。
もしかして朝ごはん⋯⋯?
のそのそと起き上がり、ソファベッドを軽く整える。
洗面所で顔を洗ってリビングに向かうと、きらきらした朝ごはんがテーブルに並んでいた。
「うわあああ、おいしそうすぎる⋯⋯」
「パンがよかったら焼くよ」
「わたし朝はご飯派なんです!うれしい、ありがとうございます」
「まじ?おれもご飯派」
「ほんとですか!」
些細な共通点がうれしい。