ロマンスに心酔



初めて参加した就活セミナーで、勝手がわからず右往左往してたわたしに気さくに話しかけてくださったのが、田中さんだった。


「ちなみに、面談どの部屋でやる?」


「会議室1だと思います」


「ふうん。何時から?」


「13時半開始予定です」


なんか、すごい聞かれるな⋯⋯?と思いながらも、あまり気にせず答える。

お昼もゆっくり食べれるかなあ、なんて考えていた。


「⋯⋯勝負だな」


「へ?な、なんのですか?」


「今は気にしなくていーよ」


今は⋯⋯?

言い回しが妙に引っかかったが、せんぱいに任せておけば大丈夫という絶大な安心感がある。


「そういえば、ストーカーも最近いないようですし、もう付き添い大丈夫ですよ⋯⋯?」


自分で言っておいて少し寂しくなりながらも、そう告げる。

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