ロマンスに心酔



「んー、じゃあ、この前言ってたアンノンのライブ、当たったら一緒に行きたい」


「え、ええ、そんなのでいいんですか⋯⋯?」


「そんなのって。前話聞いたときから行ってみたいなーって思ってたんだよ」


「死ぬ気で当てます⋯⋯!」


「ふ。頑張って」


せんぱいとライブ⋯⋯!

かみさま、すべての運を使い果たしてもいいので、わたしにアンノンのチケットを恵んでください⋯⋯!


「あの、でも、もし当たらなかったときのために、今すぐできることで、何か⋯⋯」


「いいって、お礼されたくてやったわけじゃないし」


「わたしがよくないです⋯⋯!」


「んー⋯⋯、じゃあ、あさっての夜、ひま?」


「金曜日ですか?今のところ何もないです」


「じゃ、飲みいこ」


「え!いいんですか!?」


「ふ、それこっちのセリフだろ」


いやいや、わたしのセリフですよ!

お礼がしたかったはずなのに、ただのわたしへのご褒美ではないか。

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