ロマンスに心酔



誰かに相談したとして、状況は大きく変わらないだろうし、両親にはわざわざ心配をかけたくない。

事の経緯を説明して実家に避難することもできるが、ここを長期間空けるのも不用心な気がする。


「(どうしよう⋯⋯)」


ありあわせで適当に作ったチャーハンを食べながら、もんもんと考える。

ただ後をつけられているだけ、という今の状況が逆に気味悪い。

いつも以上に心がざわざわして、今日もあまり寝付けない予感がする。


いつまでも悩んでいても状況は変わらないので、少しでもリラックスするため、お気に入りの入浴剤を入れた湯船に浸かった。



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予想通りなかなか寝付けず、重だるい身体を引きずりながら朝の支度をする。


「(あー⋯⋯きょうやばいかも⋯⋯)」


もともと貧血持ちな上に、身体も強くない。

規則正しい生活から少しでも遠ざかると、すぐに体調を崩す。

いやーな予感を抱えながら出社した。

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