ロマンスに心酔
2
迎えた金曜日。
ここ最近ではめずらしく、きもちいい快晴。
自分でもわかるくらい、朝からそわそわしていた。
いつもの時間、いつもの車両に乗るとせんぱいがいる。
「おはようございます」
「おはよ。きょうの夜、いけそう?」
「いけます!」
「よかった。食べたいもんある?」
「せんぱいへのお礼だから、せんぱいのすきなもの食べに行きたいです」
「そうなの?んー⋯⋯、焼き鳥すき?」
「すきです!」
「じゃ、おれがよく行くところ行こ」
「はい!楽しみです」
「ん。上がれる時間連絡するわ。なるべく定時目指す」
「無理しないでくださいね」
「青葉も。無理せず頑張ろ」
「はい!」
やばい。いよいよだ。
緊張、楽しみ、わくわく、そわそわ。
電車を降りて会社へと向かう道中もずっとふわふわしていて、何を話したかあまり覚えてない。