ロマンスに心酔



「あー、うま」


「染みますねえ〜」


「焼き鳥も頼も。すきなのある?」


「何でもすきですけど、安定のねぎまと、このハツがすっごいおいしそうです!」


「ハツうまいよな」


「頼みましょ〜!」


わたしも砕けているけど、せんぱいもいつもよりふにゃりとしたしゃべり方になっている気がする。

一緒に通勤するようになってから、イメージしていたよりフランクでやわらかいひとだなあというのは感じていた。

遠目で見ていた頃は、近づけない雰囲気というか、世界がちがうひとだなあと思っていたから。

料理が上手だったり、アンノンのライブに行きたがってたり、今みたいな大衆居酒屋によく行っていたり。

仕事に関しては超エリートだけど、人柄は親しみやすく、後輩からも慕われてるのがよくわかる。

それもあってか、見合うひとになりたい、なんて思ってしまう。

手が届きそうだからこそ、手を伸ばしてしまう。

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