ロマンスに心酔
「どうして、ふられちゃったんですか?」
「んー、思ってたのとちがうって言われた。よく言われるんだよねー」
「そ、それは、悲しいですね⋯⋯」
「なんか、家で料理つくったりとか、こういう居酒屋とか、おれには似合わんらしい」
「なるほど⋯⋯」
「もう言われ飽きて嫌んなって、そっから仕事ばっか」
エリートだからこそ、そういった面ばかり期待されていて、本来のせんぱいとは少しギャップがあるのかな。
「だから、青葉がうまそうに食べてくれたの、結構うれしかった」
「ほんとにおいしかったですよ!また食べたいなあって、よく思ってます」
「じゃ、また食べに来てよ」
「いいんですか!やったあ!」
砕けた会話に、思わぬ約束。
どこまで本気かはわからないから、実現することを祈るばかりだ。