義理の兄妹で同居人・イケメン×4に迫られています‼︎〜なんで私が⁉︎〜

関係のヒビ

放課後、何事もなくむかえられたようにみえたんだけど…。
青白い顔をした千紗を見て、嫌な汗が背中をつたった。
「どうしたの、千紗…」
おそるおそるたずねてみると、
「信じられない…」
魂がぬけたような返事が返ってくる。
「千紗?」
「やめて!」
そういうなり、千紗は荷物をひっつかんで教室を飛び出した。
振り返ると、鬼塚さんがニヤニヤして私を見つめていた。
「私、約束通り、『特定の人』にしか言ってないからね?」
意地悪く鼻で笑うと、私に背を向ける。
私も慌てて千紗を追いかけた。
「千紗‼︎ 待って!」
ようやく見つけた、千紗‼︎
「明寿咲…私、信じたくない…」
「鬼塚さんに…何を言われたの?」
「わかってるでしょ‼︎ 学園の王子様に興味ないっていってたくせに、同居してんの⁉︎ なんで言ってくれなかったの⁉︎ 私、気になる人ができたら、いつでも教えてって…言ったよね⁉︎ 私、明寿咲の本物の親友じゃなかった⁉︎ だから何も言わなかったの⁉︎ それとも、私がなにかした⁉︎」
涙目で、大声で話す千紗。
「私、そこまで追いつめてたなんて…思わなかった…本当に、ごめ…」
「今までのはなんだったの⁉︎ 全部、偽りの友情だった⁉︎ 私、簡単に偽りを使う人、嫌いなんだけど‼︎ こんなんだったら、」
「偽りなんて、1番私がわかってるよ‼︎ 偽りの友情だったわけないじゃん‼︎ 親友にひとつやふたつ、隠し事したっていいよね⁉︎ 全部話さないといけないなんてきまりないから‼︎」
ヒートアップしていくケンカ。
私が、偽りということに、どんなに憎しみを感じたと思ってるの?想像もつかないくらい、苦しんで、悲しんで、それでも前を向いた。
「私こそ、偽りなんて、大っ嫌いだよ‼︎‼︎‼︎‼︎」
これは、千紗に言うべきじゃなかったのかもしれない。
けれど、私が何も考えていなかったわけじゃない。千紗が心配してしまうから、黙っていたのに。隠していたのに。
しかも、興味なし女子なんて言われたら、言えるわけがないよ‼︎‼︎‼︎
私は走り去るようにその場をはなれた。
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