あなたと共に見る夢は〜俺様トップモデルの甘くみだらな包囲網〜
「莉帆、荷物届いたぞ」

しばらくして禅に声をかけられた莉帆は、手を止めて顔を上げる。

禅は大きなダンボールを手にしていた。

「荷物って?」
「お前の服。俺好みのな」

うげっと顔をしかめる莉帆に構わず、禅は力任せにダンボールを開けた。

中から次々と袋に入った服を取り出す。

「え、わあ!可愛い!」

てっきり際どいコスプレの衣装を想像していたが、どれも淡いパステルカラーで、どちらかと言うと清楚な雰囲気の洋服ばかりだった。

「ひゃー、素敵!こんなにたくさん?これ全部私の為に?」
「俺が着るワケないだろ」
「ありがとう!すごく嬉しい。着てみてもいい?」
「ああ。これもな」

そう言ってポイッと投げてよこした袋を見て、莉帆は真っ赤になる。

「な、何よこれ?」
「何って、下着。Fの65で合ってんだろ?」
「そうじゃなくて!なんでこんなにフリフリのスケスケなの?」
「俺の好み。服は清楚で脱がすとエロい」
「バカ!」

バシッと頭をはたくと、禅は大げさに、イテー!と騒ぐ。

「モデルは顔が命だぞ?商売道具を気安く叩くんじゃねえ」
「あ、そっか!ごめんなさい。大丈夫?」
「大丈夫。だから着て来い」
「な、なんでそうなるのよー?」

抗議するが、禅に背中を押されて仕方なく莉帆はパウダールームで着替えた。

薄いピンクのワンピースを着てリビングに戻ると、禅は嬉しそうに莉帆に笑いかける。

「おおー、可愛いじゃん!いいね。見た目清楚で中身はグフフだな」
「中身は知りません」
「え、着替えてないの?」
「内緒です」
「じゃあちょっと覗かせて」
「バカ!」

莉帆は胸元をしっかり押さえると、禅を牽制しながらまたパソコンに向かった。
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