あなたと共に見る夢は〜俺様トップモデルの甘くみだらな包囲網〜
どれくらいそうしていたのだろう。
廊下を通る誰かの話し声がして、莉帆はゆっくりと顔を上げた。
流しの水にハンカチを浸して目に当てる。
きっとそれだけではどうしようもないほど、目は腫れているだろう。
諦めるとノロノロと給湯室を出てオフィスに向かった。
「莉帆ちゃん?!まだいたの?え、ちょっと、どうしたの?」
驚いて駆け寄って来た成美に、莉帆は力なく微笑む。
「すみません、成美さん。お願いがあります」
「え、なに?」
「岡部さんのデスクの私物、自宅に送ってもらえませんか?」
「岡部さんって、莉帆ちゃん、あの人に会ったの?」
「はい。エレベーターから降りてきたところに出くわして。でも帰ってくださいって言いました。私物を取りに来たって言うので、送りますからって」
「そう、分かったわ。嫌なこと言われたのね?きっと」
「私は大丈夫です。でももう、二度と社長の前に現れて欲しくない。みんなの前にも」
成美はそっと莉帆を抱きしめる。
「ありがとう、莉帆ちゃん。一人で戦ってくれて。みんなあなたの味方だからね?」
治まっていた涙がまた溢れ出す。
「違うんです。みんなの為じゃなくて、私は自分を守りたくて…」
「うん、それでいいのよ」
言葉を詰まらせる莉帆を抱きしめて、成美は優しく背中をさすっていた。
廊下を通る誰かの話し声がして、莉帆はゆっくりと顔を上げた。
流しの水にハンカチを浸して目に当てる。
きっとそれだけではどうしようもないほど、目は腫れているだろう。
諦めるとノロノロと給湯室を出てオフィスに向かった。
「莉帆ちゃん?!まだいたの?え、ちょっと、どうしたの?」
驚いて駆け寄って来た成美に、莉帆は力なく微笑む。
「すみません、成美さん。お願いがあります」
「え、なに?」
「岡部さんのデスクの私物、自宅に送ってもらえませんか?」
「岡部さんって、莉帆ちゃん、あの人に会ったの?」
「はい。エレベーターから降りてきたところに出くわして。でも帰ってくださいって言いました。私物を取りに来たって言うので、送りますからって」
「そう、分かったわ。嫌なこと言われたのね?きっと」
「私は大丈夫です。でももう、二度と社長の前に現れて欲しくない。みんなの前にも」
成美はそっと莉帆を抱きしめる。
「ありがとう、莉帆ちゃん。一人で戦ってくれて。みんなあなたの味方だからね?」
治まっていた涙がまた溢れ出す。
「違うんです。みんなの為じゃなくて、私は自分を守りたくて…」
「うん、それでいいのよ」
言葉を詰まらせる莉帆を抱きしめて、成美は優しく背中をさすっていた。