あなたと共に見る夢は〜俺様トップモデルの甘くみだらな包囲網〜
タクシーで禅のマンションに帰ると、莉帆はカードキーで玄関を開けた。
「ただいま」
声をかけるが、部屋は真っ暗なままだ。
どうしたんだろうと思いながら、スーツケースを手にリビングに入る。
人感センサーでパッと明かりがつき、ダイニングテーブルに置かれているメモが目に入った。
『おかえり
ジムに行ってます 禅』
このご時世にメモって、と莉帆は思わず苦笑いする。
メッセージ送っておいてくれればいいだけなのに、と思って初めて、禅の連絡先を知らないことに気づく。
(マネージャーが連絡取れないなんて笑っちゃう。あとで聞いておこう。それにしても、見かけによらず綺麗な字だな)
ふふっと笑ってから、部屋にスーツケースを運び込む。
結局スーパーには寄らずに帰って来てしまったので、冷蔵庫にあるもので夕食を作ることにした。
下ごしらえが終わっても禅は帰って来ない。
莉帆はローテーブルにパソコンを広げて仕事をしながら待つことにした。
自分のパソコンを立ち上げてから、オフィスから持って来た和也の会社パソコンも並べて電源を入れる。
(アカウントとパスワード…)
アカウント名は本名のフルネームで【kazuyaokabe】
そしてパスワードは…
1か月ほど前の彼との会話を思い出す。
「またパスワード更新しろってか。毎回考えるのめんどくさいな。覚えられないと困るし」
自宅でパソコンを広げた彼はそう言って、莉帆に、何がいいと思う?と聞いてきた。
「私は今、名前と誕生日の組み合わせにしてます。riho1022って」
すると彼は、じゃあ俺もそうしようと言ったのだ。
(あの人の誕生日は、7月29日だから…)
カタカタとキーボートに両手を走らせ、kazuya729と打ち込む。
だがエンターキーを押すと、エラーになった。
(あれ?じゃあ0729かな?)
それもはやりエラーになる。
フルネームを入れたり、名前と数字を入れ替えたりしても上手くいかない。
(もしかして…)
そんなワケないと思いながら、莉帆は試しに打ち込んでみた。
するとパッと画面が変わって認証される。
(嘘でしょ、どうして)
【riho1022】
それが和也が使っていたパスワードだった。
「ただいま」
声をかけるが、部屋は真っ暗なままだ。
どうしたんだろうと思いながら、スーツケースを手にリビングに入る。
人感センサーでパッと明かりがつき、ダイニングテーブルに置かれているメモが目に入った。
『おかえり
ジムに行ってます 禅』
このご時世にメモって、と莉帆は思わず苦笑いする。
メッセージ送っておいてくれればいいだけなのに、と思って初めて、禅の連絡先を知らないことに気づく。
(マネージャーが連絡取れないなんて笑っちゃう。あとで聞いておこう。それにしても、見かけによらず綺麗な字だな)
ふふっと笑ってから、部屋にスーツケースを運び込む。
結局スーパーには寄らずに帰って来てしまったので、冷蔵庫にあるもので夕食を作ることにした。
下ごしらえが終わっても禅は帰って来ない。
莉帆はローテーブルにパソコンを広げて仕事をしながら待つことにした。
自分のパソコンを立ち上げてから、オフィスから持って来た和也の会社パソコンも並べて電源を入れる。
(アカウントとパスワード…)
アカウント名は本名のフルネームで【kazuyaokabe】
そしてパスワードは…
1か月ほど前の彼との会話を思い出す。
「またパスワード更新しろってか。毎回考えるのめんどくさいな。覚えられないと困るし」
自宅でパソコンを広げた彼はそう言って、莉帆に、何がいいと思う?と聞いてきた。
「私は今、名前と誕生日の組み合わせにしてます。riho1022って」
すると彼は、じゃあ俺もそうしようと言ったのだ。
(あの人の誕生日は、7月29日だから…)
カタカタとキーボートに両手を走らせ、kazuya729と打ち込む。
だがエンターキーを押すと、エラーになった。
(あれ?じゃあ0729かな?)
それもはやりエラーになる。
フルネームを入れたり、名前と数字を入れ替えたりしても上手くいかない。
(もしかして…)
そんなワケないと思いながら、莉帆は試しに打ち込んでみた。
するとパッと画面が変わって認証される。
(嘘でしょ、どうして)
【riho1022】
それが和也が使っていたパスワードだった。