あなたと共に見る夢は〜俺様トップモデルの甘くみだらな包囲網〜
最愛の女
「お疲れ様ー!大成功!バンザーイ!カンパーイ!」

無事にホテルに帰って来ると、禅の部屋に集まって打ち上げが始まった。

ディレクターがテンションマックスで乾杯の音頭を取る。

「おめでとう、禅!」

誰もが笑顔で禅を祝福した。

「ありがとうございます。えー、カメラが回ってるので本当は余裕ぶりたいんですけど、マジで今回メンタルやられそうになりました。なんとか無事にパリコレの切符を掴み取れたのも、皆さんのおかげです。ランウェイでは皆さんの想いも背負って歩きました。夢が1つ叶いましたが、またここからが始まりです。次の夢に向かって、これからも日々成長していきます。本当に、ありがとうございました!」

大きく頭を下げる禅に、惜しみない拍手が送られる。

ディレクターも、「これで大手を振って日本に帰れる!視聴率が楽しみだ」と終始ご機嫌だった。

「じゃあ、とにかく今夜はゆっくり休んで。明日からは3日間、パリの街で撮影するから。リラックスして楽しんで」
「はい、ありがとうございます。おやすみなさい」

禅も莉帆も笑顔でクルー達を見送った。

パタンと部屋のドアを閉める。

シン…と静けさが広がった次の瞬間。

「やったー!」

2人は抱き合って喜びを爆発させた。

「きゃー!禅、高いって!」

禅に抱き上げられて、莉帆は慌てて禅の首にしがみつく。

「さいっこうの気分!パリコレだぞ?しかもあの『クレール・ドゥ・リュンヌ』俺の大好きなブランド。幸せすぎるー!」
「ひゃあ!ちょっと、禅!ぐるぐるしちゃだめ!」

莉帆を抱いたまま回り出した禅に、振り落とされまいとして莉帆は必死でしがみつく。

すると禅は莉帆と一緒にベッドに倒れ込んだ。
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