あなたと共に見る夢は〜俺様トップモデルの甘くみだらな包囲網〜
エピローグ
「うっひゃー!やっぱり莉帆ちゃん、美しいったら!」
源さんが興奮した声を上げながらカシャカシャとカメラのシャッターを切る。
新会社『RiZモデルエージェンシー』のホームページに載せる宣材写真の撮影に、禅と一緒にスタジオに来ていた莉帆は、源さんに頼まれてテストシュートをすることになった。
「顔は写さないから、とにかくちょっとだけ撮らせて」
そう言われて仕方なく言われた通りの衣装に着替える。
ヘアメイクは必要ない為、すぐに撮影に入った。
「莉帆ちゃん、もうちょっと左斜めに身体向けて」
「ええー?こうですか?きっつ!モデルさんのポーズって大変ですね」
すると横で見ていた禅が笑う。
「莉帆、そんなにペラペラしゃべりながらポーズ取るモデルいないぞ」
「そうなの?」
「バカ!こっち見るな。黙ってじっとしてろ!」
「えーもう、うるさいなあ」
口を尖らせながらもなんとか撮り終えた。
「お、結構いいじゃん!これもうちのホームページに載せようぜ」
大きなモニターで撮ったばかりの写真を確認しながら、禅が軽く言う。
「嘘でしょー?私の写真なんて、マイナスイメージにしかならないわよ」
「まあまあ、いいじゃない。俺の写真ばっかりだとホームページも見栄え悪いからさ。こういう雰囲気の写真も欲しい。いいだろ?顔写ってないから身バレしないし」
「うん、まあ、そういうことなら。でも不評だったらすぐ削除してよ?」
「はいよー」
そうしてホームページに、顔を伏せた莉帆の写真を載せてしばらく経った頃。
莉帆はなぜだかRiZという名のモデルと勘違いされ、仕事の依頼の電話がじゃんじゃんかかってくるようになった。
「ちょっと、話が違ーう!今すぐ写真削除して!」
「もう遅い。うちの会社、いただいた仕事は有難く引き受ける方針なんだなー、これが。それにこの間の『クレール・ドゥ・リュンヌ』のパーティーでの写真、美男美女モデルカップルって話題になっちゃってるしな」
「何をニヤニヤ笑って言ってんのよ!もう、禅!」
「なんだい?売れっ子モデルのリズちゃん」
「ふざけないでってば!」
ふくれっ面で禅に抗議する莉帆。
やがていつものように禅に笑いに変えられ、2人で楽しそうに肩を寄せ合う。
莉帆の明るい笑顔に、かつての傷ついた悲しげな面影はない。
これまでどこか自信が持てずにいた莉帆は、今やキラキラと輝く美しいオーラに満ち溢れていた。
禅はそんな莉帆を優しく見つめて、そっとキスをする。
「愛してる、俺だけの莉帆」
「私も。禅だけを愛してる」
2人は胸一杯に広がる幸せを感じながら、いつまでも愛を込めたキスを贈り合っていた。
(完)

源さんが興奮した声を上げながらカシャカシャとカメラのシャッターを切る。
新会社『RiZモデルエージェンシー』のホームページに載せる宣材写真の撮影に、禅と一緒にスタジオに来ていた莉帆は、源さんに頼まれてテストシュートをすることになった。
「顔は写さないから、とにかくちょっとだけ撮らせて」
そう言われて仕方なく言われた通りの衣装に着替える。
ヘアメイクは必要ない為、すぐに撮影に入った。
「莉帆ちゃん、もうちょっと左斜めに身体向けて」
「ええー?こうですか?きっつ!モデルさんのポーズって大変ですね」
すると横で見ていた禅が笑う。
「莉帆、そんなにペラペラしゃべりながらポーズ取るモデルいないぞ」
「そうなの?」
「バカ!こっち見るな。黙ってじっとしてろ!」
「えーもう、うるさいなあ」
口を尖らせながらもなんとか撮り終えた。
「お、結構いいじゃん!これもうちのホームページに載せようぜ」
大きなモニターで撮ったばかりの写真を確認しながら、禅が軽く言う。
「嘘でしょー?私の写真なんて、マイナスイメージにしかならないわよ」
「まあまあ、いいじゃない。俺の写真ばっかりだとホームページも見栄え悪いからさ。こういう雰囲気の写真も欲しい。いいだろ?顔写ってないから身バレしないし」
「うん、まあ、そういうことなら。でも不評だったらすぐ削除してよ?」
「はいよー」
そうしてホームページに、顔を伏せた莉帆の写真を載せてしばらく経った頃。
莉帆はなぜだかRiZという名のモデルと勘違いされ、仕事の依頼の電話がじゃんじゃんかかってくるようになった。
「ちょっと、話が違ーう!今すぐ写真削除して!」
「もう遅い。うちの会社、いただいた仕事は有難く引き受ける方針なんだなー、これが。それにこの間の『クレール・ドゥ・リュンヌ』のパーティーでの写真、美男美女モデルカップルって話題になっちゃってるしな」
「何をニヤニヤ笑って言ってんのよ!もう、禅!」
「なんだい?売れっ子モデルのリズちゃん」
「ふざけないでってば!」
ふくれっ面で禅に抗議する莉帆。
やがていつものように禅に笑いに変えられ、2人で楽しそうに肩を寄せ合う。
莉帆の明るい笑顔に、かつての傷ついた悲しげな面影はない。
これまでどこか自信が持てずにいた莉帆は、今やキラキラと輝く美しいオーラに満ち溢れていた。
禅はそんな莉帆を優しく見つめて、そっとキスをする。
「愛してる、俺だけの莉帆」
「私も。禅だけを愛してる」
2人は胸一杯に広がる幸せを感じながら、いつまでも愛を込めたキスを贈り合っていた。
(完)
