そして何もなかった

中途半端真面目とJと習字

 僕は教養科目で習字を選択した。
青子が休み時間、習字の教室に遊びに来てた。何故か僕の所で急に
 『工藤 J』
と書いていた。工藤とは僕の姓だ。未だに意味はわからない。捨てていいと言われたがでもなんか捨てきれず授業期間中は保管していた。その何故保管しようと思った理由も今ではわからない。習字の墨で真っ黒に覆っていいのかもしれない。その後授業で書いている時恋愛のタイプの話で盛り上がっていた。ここでクラスメイトで滅多に話さない子が
 『工藤くんって絶対合コンとかいかなそう』
と急に言った。みんな大笑いだ。
僕も思わず笑ったが、第三者からはそういうふうな印象を持たれていたのかとショックだった。ここで自己紹介になるが自分は結構堅い印象を持たれつつ、少し抜けてる時がある。小学校の先生、クラスメイトはムードメーカーと評していた。色々器用な所はあると思う。でもどっちつかずと言うのかもしれない。
僕は中途半端真面目だ。青子も中途半端真面目だ。中途半端だからどっちつかずの所もある。その中途半端にお互い高校生活を左右されることになる。
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop