友情ルートが恋愛ルートに変わり彼が甘々なのですが

「結婚って、難易度高すぎて永遠に無理な気がする……」
「期待するからだろ」

恋人にフラれて絶望する私の深いため息に同情することなく、男友達の桐島将(きりしましょう)は私を笑った。
まるでこうなることを知ってましたとでも言うように、彼にとって失恋する私なんぞの相手は慣れっこだ。

高校時代から、早十年の付き合いにはなる桐島は私の恋愛遍歴を知り尽くしている。
恋愛中も相談に乗ってもらいがちだが、いつだって私の悩みに対しての回答は素っ気ない。


とは言え、話は聞いてくれるからなんていい男なのだろうとも思う。
学生時代から女友達には心を開ききれない私にとって、桐島は誰よりも仲の良い友達で何でも話せる大親友だと思っている。


だからと言って、事あるごとに「聞いて欲しい!」とばかりに彼の部屋に押しかけるのは私の悪い癖だ。
そんな私に呆れながらも部屋に入れてくれる優しい男でもある。

桐島の優しさに甘える私がソファーでぐずっていると、バスタオルがふわりと頭にかけられる。


「ほら、シャワーでも浴びてこい。少しはすっきりするから」
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