友情ルートが恋愛ルートに変わり彼が甘々なのですが
バスタオルを受け取って涙を拭いていると、早く行けよとばかりに桐島の部屋着がぽいぽい投げ渡された。
すべて抱えてぐずりながらも私は浴室に向かう。

熱いシャワーを浴びると、ふっと心がほどけていくような気がした。
いつも結局はフラれたことよりもフラれたときの桐島の優しさに泣きたくなる。


どうして私は桐島に恋をしないのか不思議でたまらない。


仲がいいことを羨ましがられるほどに、桐島はすべてが整っている。
顔も良ければ、頭も体もよく動く。
それでいていつも涼しい顔をしているのに気取っているわけでもない人たらしだ。


桐島と打ち解けたのも、私が彼の友達にフラれたことがきっかけだった。
どういうわけか惚れっぽいくせに桐島には恋心を抱いた覚えがない。

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