ダイナマイト爆弾の罵声を浴びせる彼女

見知らぬ土地

見知らぬ土地

瑠美は生活保護で精神科に隣接するグループホームで生活している。21歳の時に初めて精神病院の門をくぐってからもう10年近く精神病院と共に生きている。趣味はパチンコだ。瑠美は節雄にグループホームから出たいと相談してきた。熊本には離婚したお母さんがいるの、一年前に知り合いに頼んでお母さんの居場所を見つけた。でも、知り合いがお母さんと口論になって。それっきり疎遠になった。あいにく瑠美は方向音痴だから、居場所がどこなのかわからない。節雄さんお願いと訴えてくる。瑠美の話だと結婚すればでれる。しかし節雄は結婚する気はない。あの癇癪が出てきたらたまったもんじゃない。でも。この提案には乗ることにした。まづはケースワーカーに相談してみるも、管轄外の移転にはノータッチ。救われたのは、勝手にやってください。また動機について結婚を匂わせたのが良かった。翌日。熊本の不動産屋に出向く。市街地から少し離れた場所ではあるが、ひとつめの不動産屋に立ち寄った。

アパートは、手頃な家賃があった。生活保護ですと言うと。それじゃとなりそうになったが、まだ、熊本市では手続きをしてなかった。大家は、まづは熊本市での保護を取ってから契約に来てくださいと。その足で市役所にいくと今度はその前に住むとこを確保してください。節雄はとっさにもう一度不動産屋にかけこむ。一時間の雑談でいいでしょう。生活保護が、取れたと見込んで、貸しましょうといってくれたが、次の言葉が突き刺さる。「障害は何ですか」咄嗟に瑠美は「内蔵と答えた」何故か大家はそれ以上は突っ込まなかった。むろん精神障害と説明すると、貸してはもらえないだろう。めでたく。引越しとなる。
瑠美は節雄に対してこの恩は一生忘れられない事となる。精神科のスタッフはまさかの出来事に目ん玉を丸くした。なにせ、社会的入院10年。そしてグループホーム。から隣町という快挙は永遠に語り継がられたのであった。瑠美の罵声も消えた。そして、性格が丸くなってきた。あれから10年が経った。瑠美は再発もしない。そして節雄は10年目に結婚を申し込んだ。節雄はこの出来事をNHK障害者福祉賞に応募した。そして入選した。節雄と瑠美の結婚式は、家族や友人たちに祝福されながら、盛大に行われた。瑠美は美しいドレスをまとい、笑顔でいっぱいだった。式の後、二人は新しい生活をスタートさせた。数ヶ月後、節雄の応募した作品がNHK障害者福祉賞に選ばれたとの通知が届いた。二人は喜びを分かち合い、受賞式に参加することを決めた。受賞式当日、節雄は瑠美の手を握りながら、壇上に立った。彼は感謝の言葉を述べ、二人の歩んできた道のりを語った。観客は深く感動し、温かい拍手が会場に響き渡った。その後、節雄と瑠美は地域の福祉活動に積極的に参加し、同じような困難を抱える人々に希望を与える存在となった。二人の愛と絆はますます強まり、幸せな日々を送ることができた。

ここまで読んでくれてありがとうございます
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

告白
龍太郎/著

総文字数/4,784

恋愛(純愛)1ページ

表紙を見る
初恋〜統合失調症
龍太郎/著

総文字数/29,289

恋愛(純愛)7ページ

「追憶と再会の恋愛譚」
龍太郎/著

総文字数/10,028

恋愛(純愛)6ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop