まがりかどは、秋の色
オレンジに染まる道を並んで歩きながら、本多さんの好きなものを聞いてみた。
「お礼に何かお渡ししたいなって思って……」
「お礼なら、うちで何か一冊新刊を買ってくだされば、それで充分ですよ」
勝手にやりたくてやったことなので、と言われてしまうと、難しい。食べ物を押しつける……のは、アレルギーが心配だし……。
あんまり納得ができていないのが、顔ににじんでいたらしい。本多さんは、うーん、じゃあ、と首を傾げた。
「石井さん、このまま駅に行って、本屋さんに寄っていいですか」
「はい、もちろん」
書店とか本屋とかじゃなくて、本屋さんなんだ。やっぱり言葉が丸い。
「うちでは、おまかせサービスがあるんですけど」
「はいはい」
おまかせは、その人が好きそうな本を、本屋さんで探してきてくれるサービス。
使えるのは文庫利用者だけで、大抵、大量に本を読むような、常連と言って差し支えないお子さんたちに利用されている。
たくさん読みたい、できれば自分好みのおもしろい本を読みたい、という希望を叶えやすいサービスだった。
「一つ頼まれてて、よかったら一緒に選んでほしいなと思って」
「もちろんです!」
「お礼に何かお渡ししたいなって思って……」
「お礼なら、うちで何か一冊新刊を買ってくだされば、それで充分ですよ」
勝手にやりたくてやったことなので、と言われてしまうと、難しい。食べ物を押しつける……のは、アレルギーが心配だし……。
あんまり納得ができていないのが、顔ににじんでいたらしい。本多さんは、うーん、じゃあ、と首を傾げた。
「石井さん、このまま駅に行って、本屋さんに寄っていいですか」
「はい、もちろん」
書店とか本屋とかじゃなくて、本屋さんなんだ。やっぱり言葉が丸い。
「うちでは、おまかせサービスがあるんですけど」
「はいはい」
おまかせは、その人が好きそうな本を、本屋さんで探してきてくれるサービス。
使えるのは文庫利用者だけで、大抵、大量に本を読むような、常連と言って差し支えないお子さんたちに利用されている。
たくさん読みたい、できれば自分好みのおもしろい本を読みたい、という希望を叶えやすいサービスだった。
「一つ頼まれてて、よかったら一緒に選んでほしいなと思って」
「もちろんです!」