可愛いものが好きな先輩は,ちっとも可愛くない。
「その後も悪くないのに罪悪感感じたり,お昼に呼んだら来てくれたり。急がなくていいのに,僕のために1日で洋服を仕上げてくれたり,さっきも,押し負けて言い返さなかったり」
それが,はも先輩の言う受け身ってこと。
「ぐるぐるぐるぐる考えて,人のためって。僕は嬉しかったけど,それってすごく,損しちゃうと思うんだ」
そうかもしれない。
断れない性格も,頼まれてもないこと言っちゃう性格も。
何かあったとき,自分で対処できない弱さも。
先輩の言う通り,私はそんな性格なのかもしれない。
でも
「今はも先輩達といるのは……私が,そうしたいからです。はも先輩じゃなかったら,きっと……私だって今日,自分から来たりしませんでした」
訴えるように見つめると,はも先輩は悩ましい顔をして折れてくれる。
でも先輩がいいたいのは多分そういうことじゃなくて。
「それ以外のところは……善処,します」
「んーーー。ーーー?」
納得しない顔のはも先輩。
これも言われたからってことに,なっちゃうのかも。
これが私です! って,言えばよかったのかな???
「あっと,えっっ,と」
分からなくなる。
……。