可愛いものが好きな先輩は,ちっとも可愛くない。

「どーかした?」


いたずらに聞こえるのは,気のせい?

余裕そうな顔と目が合う。



「いえ……」



先輩,慣れてる。

きっと,そう。

甘く痺れる胸を,私は無意識にきゅっと押さえていた。
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