可愛いものが好きな先輩は,ちっとも可愛くない。


「翠ちゃん」



優しくて,子守唄みたいな呼び声。

目を開けてしっかりと先輩を見る。

伝わってしまいそう。

この鼓動も……気持ちも。



「僕の……彼女になってくれない?」



ふ……えっっ!?!?!

自覚したとたん,おかしな幻覚をみたんだろうか。



「え,えっなんで」



え?!?!?



「だって」



おかしそうに笑う。



「翠ちゃん『僕のこと,すっごく好きだよね』」

ーそれに

「『僕も』。翠ちゃんのこと,だいすきだよ」



何,えっ。

だって。

どう言うこと?!?!?



「はもせんぱ」

「だめ? 僕,こんなに好きなのに。もしかして疑ってる?」

「ちがっ。だって……なんで,私の気持ち知って」



ぱちぱちと瞬く。

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