御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
ふたつの命を守りたいのならば、皇樹さんの子どもだとバレてはならない。私が妊娠していると知られれば、感づかれてしまう。

私は洸次郎さんに紹介してもらった会社には入社せずに行方をくらませた。

お腹を隠しながらアルバイトをして、ごまかしが効かなくなったら貯金を生活費に回して。なんとかひとりで生計を立てながらも、両親には妊娠を知らせないわけにいかないと一度実家に戻った。

案の定というべきか、両親は妊娠を知って大激怒。今すぐその男を連れてこい、紹介できないような男なら子どもなど産むな、堕ろせと怒鳴られた。

両親の気持ちを思えば、心配するのは当然だ。

だからといって堕ろすわけにはいかないし、皇樹さんの名前を出すわけにもいかない。両親に知られれば、やがては洸次郎さんの耳にも入ってしまうだろうから。

結局は両親と口論になり、私は勘当された。

そんなとき手を差し伸べてくれたのは、兄たちから話を聞きつけた紅葉だ。

わざわざ私に会いに来てくれた彼。激励――かと思いきや、ものすごく呆れた顔で叱られた。

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