御曹司様、あなたの子ではありません！～双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした～

ありがたいし子どもたちは大喜びだけど、先週も紅葉の世話になったばかりなのに、連続で彼の週末を奪って申し訳ない。

【イクメンならぬイクオジだね。すごく助かるけど、急にどうしたの？】

おどけてそんなふうに返してみると【まだオジサンじゃない】というツッコミが真っ先に返ってきた。二十八歳でおじさん扱いは不服らしく、子どもたちには『もみじにいちゃん』と呼ばせている。

「オジは〝おじさん〟じゃなくて、〝叔父さん〟のつもりだったんだけど……語源は一緒か」

ややこしいので、まあいいかとフォローをあきらめ、【ありがとう紅葉お兄さん、無理はしないでね】、そう送ると、OKのスタンプが返ってきた。



土曜日の朝、私は玄関にお泊まりセットを置いて家を出た。夕方になったら紅葉が荷物を取りに車で寄ってくれるという。

私はいつも通り子どもたちを保育園に預け、ファニーグランマに出勤した。

土曜日はお客様が多い上に、サマーセールも開催中で大忙し。普段以上にあっという間に一日が過ぎていく。