御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
そう言って、オーナーは四着分の上下セットをショップロゴの入った紙袋に詰めてくれる。実際に買ったら、かなりの金額になりそうだ。

「私の方こそ、いつも大助かりです。でも、いただいてばかりでも申し訳ないですし、社割扱いで半額だけでも――」

「いいのいいの。プロのモデルやカメラマンを雇わなくて済む分、経費が浮いてるんだから」

それなら、と私はありがたくいただいて帰宅の途につく。帰り道の途中で、紅葉からチャットメッセージが届いた。

【ちびっ子たちのお迎え完了。ご飯買って帰るから、楓は先にうちに行ってて】

「もう?」

私がお迎えに行こうと思っていたのに、先を越されてしまったみたい。

添えられていたのは、子どもたちにほっぺをぎゅむぎゅむにされてる紅葉の写真。

私は【ありがとう!】とメッセージを送って、紅葉の家に向かった。鍵は持っているので、先に上がって夕食の準備をしておこう。

「お邪魔しまーす」

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