御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
久道家と匹敵する良家との繋がり、血の結びつき――政略結婚こそ皇樹さんを代表の座へ後押ししてくれるという。

逆に言えば、政略結婚をしなければ、皇樹さんは次期社長になれないかもしれないということだ……。

『皇樹はすでに、イギリスに住む良家の令嬢との婚約を進めている』

そう聞かされ、ショックを受けながらも、やはりと思ってしまった自分がいた。

『どうにもならない政略結婚だったのです。ようやく皇樹は受け入れ、正しい人生を歩み始めてくれました』

私と彼では到底釣り合わない。私たちがどれだけ深く愛し合おうとも、周囲の人間は認めてくれない。自覚があっただけに反論できなかった。

彼の隣を歩くには、私はあまりにも分不相応だ。

『あなたが本当に皇樹を愛しているならば、どうか邪魔をしないであげてほしい』

正論を突きつけられ、納得するしかなかった。

彼だって苦しんで決断したはずだ。私と一緒になろうと最後まで尽力してくれたに違いない。

とはいえ、会社の存続をかけて、何万人という従業員たちの生活を背負って、自身のエゴを貫き通すわけにはいかない。

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