御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
『それはこっちの台詞だよ、楓こそなに考えてんの? 皇樹さん、なんにも知らないらしいじゃん』

すっと背筋が冷える。まさか皇樹さんと話をしたの? 彼はどこまで知ってるの?

『楓にも事情があるにせよ、一度腹割って話した方がいいよ。柚希も柑音も、ふたりの子どもなんだからさ』

揺るぎない事実を突きつけられ、ごくりと喉が鳴った。

紅葉の言い分は客観的に見て、至極真っ当だ。ふたりは皇樹さんの子どもで、彼はすべてを知る権利がある。

でも、もし知ってしまったら、彼は苦しむことになるだろう。築いてきた地位も家庭も崩壊してしまうかもしれない。

『言っておくけど、俺はなにも話してない。子どものことも、シングルマザーしてるってことも。皇樹さんには、機会は与えるけどそれでも楓が話したくないって言うなら、それ以上は追及しないでやってって言ってある。だから楓、話すか追い返すかは自分で決めて』

子どものことは知られていないと聞いて、わずかに安堵する。

ようやく冷静さを取り戻し頭が回り始める。ふう、と短く息をついて「今どこ?」と尋ねた。

『ファミレスだよ。みんなでうどん食べてるとこ』

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