御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
静かにかぶりを振ると、皇樹さんは「そうか」と頷き俯いた。考えを巡らせるように、腕を組んで視線を下げる。
納得してくれたのだろうか? 彼の心の内が読めなくて、少しだけ怖い。
「……その大きな紙袋は? 洋服?」
ふと彼の視線が私の手もとに向かう。大きな紙袋を担いでやってきたから驚いたのだろう。
私は「ああ、これは――」と説明して紙袋を開けた。
「仕事で使う服です。撮影が終わったら、もらえることになっていて」
「以前働いていたメーカーは辞めたと聞いたが……モデルでもしているのか?」
「ただの販売員ですよ」
そこではたと気づく。
「……私が仕事を辞めたって、よくご存じですね」
「楓の行方をずっと探していたから」
ドキンと胸が震える。
動揺を押しころし「今は、小さなアパレルショップでパートをしています」と説明した。
「このロゴのお店? ファニー……グランマ?」
「ええ。子供服のお店なんです。親子のコーディネートなんかも取り扱っていて」
子どもたちの秋服を取り出す。ベージュのニットに赤いタータンチェックのボトムス。女の子はキュロットで、男の子はショートパンツだ。
納得してくれたのだろうか? 彼の心の内が読めなくて、少しだけ怖い。
「……その大きな紙袋は? 洋服?」
ふと彼の視線が私の手もとに向かう。大きな紙袋を担いでやってきたから驚いたのだろう。
私は「ああ、これは――」と説明して紙袋を開けた。
「仕事で使う服です。撮影が終わったら、もらえることになっていて」
「以前働いていたメーカーは辞めたと聞いたが……モデルでもしているのか?」
「ただの販売員ですよ」
そこではたと気づく。
「……私が仕事を辞めたって、よくご存じですね」
「楓の行方をずっと探していたから」
ドキンと胸が震える。
動揺を押しころし「今は、小さなアパレルショップでパートをしています」と説明した。
「このロゴのお店? ファニー……グランマ?」
「ええ。子供服のお店なんです。親子のコーディネートなんかも取り扱っていて」
子どもたちの秋服を取り出す。ベージュのニットに赤いタータンチェックのボトムス。女の子はキュロットで、男の子はショートパンツだ。