御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
「なら、これからは俺がママを助ける。ママが少しでも楽になるように。ふたりがたくさんママと一緒にいられるように」

その言葉に、子どもたちの顔がパッと明るくなる。

「ほんとに?」

「ママをたすけてくれるの?」

「もちろん。俺はママが小さい頃から、ずっと守ってきたんだから」

つぶらな瞳がこちらを覗き込んでくる。

「ママ、ほんと?」

「わるものじゃない? せいぎのしと?」

日曜日に放送している戦隊ヒーロー『正義の使途★ダイヤレンジャー』を想像している柚希に、私はちょっぴり苦笑する。

「……そうね。ダイヤレンジャーではないけれど、小さい頃からママを守ってくれてたわ」

皇樹さんは出会った頃から――ピンク色の薔薇の花束をくれたあの日から、ずっとそばで守ってくれていた、それが事実だ。

ふたりの警戒心が和らいだ。目の前のこの人は、ママをいじめる悪い人ではない、ママを助けてくれる人だ、そう理解したようだった。

「またママに会いに来てもいいかな?」

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