御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
いつもよりちょっぴり夜更かしになってしまったけれど、二十一時半には就寝完了。

「じゃあ、申し訳ないけど、ふたりをお願いね」

これから皇樹さんとあらためて話をしに行くつもりだ。紅葉に子どもたちをお願いして、私は外出の準備をする。

「今、皇樹さんに連絡した。下で待ってるってさ。ちゃんと話し合ってきなよ。っつか、連絡先交換しなよ」

間を取り持つ紅葉が、少々不満げに漏らすので、私はあははと苦笑してごまかした。

「いろいろありがとう。行ってくる」

皇樹さんとの再会は、避けては通れない道だったのかもしれないと、今では思っている。

今後どうなるにせよ、けじめはつけるべきだ。

マンションを出ると、車寄せに真っ白い高級車が止まっていた。運転席の皇樹さんが私を見つけて、助手席のドアを開けてくれる。

「子どもたちは眠った?」

「はい。紅葉が見てくれています」

「じゃあ、少し走らせても大丈夫かな」

そう言って、彼は車を発進させる。

皇樹さんと話す決意をしたのは、このままではいられないのはもちろん、なにより彼の誠意が伝わってきたから。

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