御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
その声にいっそうの熱がこもる。嘘偽りのない言葉が、私の心に空いていた穴に流れ込んでくる。

「だからこそ、俺の残りの人生すべてを君に――君と子どもたちに捧げたい」

「私は……」

彼なしでは生きていけないと、本当はわかっている。今すぐ彼の言葉に甘えて、三年分の心の欠けを埋めたい。

子どもたちに、この人がお父さんだよと教えてあげたい。

けれど――。

「……ごめんなさい。少し、考えさせてください」

まだすべての問題が解決したわけじゃない。私の家柄は変わらないし、身分の差が埋まるわけでもないのだ。

この先、皇樹さんや子どもたちがみじめな思いをする懸念が消えたわけじゃない。

「その……子どもたちも……急にパパができたなんて言ったら、混乱するかもしれないし」

私自身、こんなに混乱しているのだ。急な変化は子どもたちへのストレスになりかねない。

皇樹さんは「わかった」と静かに応じた。

「少しずつ、これからのことを考えていこう」

無理に言いくるめることはせず、私のペースに合わせてくれる。三年前と同じ優しい彼がそこにいた。

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