御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
俺は楓を幼い頃から知っている。彼女はとても大切な、それこそ妹のような存在だ。おいそれと手を出すなんて、できるわけがない。

なにより、純粋無垢で穢れない楓に己の浅ましい性欲をぶつけるなんて、できるわけがなかった。

「じゃ、いくつならいいんだよ」

「……二十歳くらいか?」

「いやいやいや、プラトニックが度を超えてる!」

確かに、二十歳前に体を重ねる男女は山のようにいるだろう。比率的にはそちらの方が多いかもしれない。だが――。

「十代のうちに手を出すなんて、彼女の父親に会わせる顔がない」

俺は楓の将来を任されている身だ。許嫁であると同時に、彼女が立派な大人に成長できるよう導く義務もある。

「っつか、その子が二十歳のとき、お前はすでに二十三なわけだけど? それまで指一本触れずに我慢できるのかよ。今から七年もお預けってことだぞ!? 無理だね、耐えられるわけがない」

痛いところを突かれ、ぐっと押し黙る。今はまだ楓に性的な魅力を感じていないから悠長なことを言っていられるが、今後女性らしく成長していく彼女を前に理性が保てるだろうか。

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