御曹司様、あなたの子ではありません!~双子ベビーがパパそっくりで隠し子になりませんでした~
だが、彼女を妹のように大切にしているのも事実だ。

「耐えてみせるさ」

まるで愛の深さが試されているようだ。なおのこと、絶対に手を出すまいと意地になって誓った。



しばらくは兄妹のような関係が続いた。彼女も俺に純粋に懐いてくれている。

この信頼関係を壊さないよう、女性として意識をしてしまわないよう、常に一線を引いて接してきた。

だが高校生、大学生と成長し、大人に近づいていくにつれ、女性としての魅力から目を逸らせなくなってきた。なにしろ彼女は美しく、かわいらしい。

……モテるだろうな。狙っている男も多いはず。告白のひとつやふたつ、されただろう。

そう考えると、情けないことに焦りが湧き上がってくる。

さっさと押し倒して自分のものにしてしまえたら。ほかの男に脇目も振れないくらい、腕の中に閉じ込められたら。そんな欲望から目が逸らせなくなる。

必死に己を押しころし、優しいお兄さんに徹し続けていたが、思わぬ言葉を投げかけられたのは、彼女が大学一年生のときだった。

『……皇樹さんは私を女性として見てくれてますか?』

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